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車椅子で学ぶ

中途障がい者や生まれつき身体に障がいがあって、車椅子生活を送っている人たちは一体どんな教育を受けているのでしょう?障がいの程度にもよりますが、通える学校はいくつかの種類に分けられます。ここでは3つの教育機関について紹介していきましょう。本人だけでなく、学校のことで悩んでいる親御さんも参考にしてもらえればと思います。

特別支援学校

以前は学校によって養護学校、聾学校、盲学校などと呼ばれていましたが、2007年4月1日に特別支援教育が完全実施されてから特別支援学校という名称に変わりました。ですが、前の呼び名がなくなったわけではなく、今もまだ長い間慣れ親しんだ呼び方をすることが多いですね。

この特別支援学校は、目の不自由な人や耳の不自由な人、知的障がいを持った人、身体の不自由な人が通う学校のことをいいます。呼び名は一つになりましたが、学校ごとにどんな障がいをもった子供たちを教育するのかは異なります。このうち身体が不自由で車椅子を使う子供たちの多くは養護学校に通います。特別支援学校(養護学校)はおもに幼稚部、小学部、中学部、高等部があります。幼稚部と高等部に関しては一つの建物内にある学校とない学校があるんですよ。

私の通っていた養護学校には入学当初、小学部と中学部があり、私が小学部高学年のときに高等部もできました。障がいの状態によっていろんな学習カリキュラムが組まれているので、その子に合った教育を受けることができます。

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特別支援学級

この特別支援学級も特別支援教育が完全に実施される前は、特殊学級とか養護学級などと呼ばれていました。もちろん今も上記の呼び名のほか、障がい児学級、総合学級、あすなろ学級、なかよし学級、ひまわり学級などさまざまな呼び方をされています。

特別支援学級というのは、小学校や中学校、高校などに特別な教育を必要とする児童・生徒向けに設けられたものです。本来なら義務教育を終えた後の高校にも設置できるのですが、実際のとことは、そのような学級がある高校はほとんどありません。私が通った中学校にも特別支援学級があって、2〜3人がそこで学んでいました。

知っている限りでは、特別支援学級で学ぶのは知的障がいを持っている人が多いように思います。そのほか普通学校には行きたいけれど、車椅子のことを考えるとキツイという人や車椅子を使っていて、さらに軽度の知的障がいを併せ持つ人なども対象になります。特別支援学級で学んでいる子供のほとんどは、体育の授業または学校行事などには普通学級の子供たちと一緒に参加するんですよ。ちなみに特別支援学級の定員数は8人までとなっています。

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普通学級

幼稚園、小学校、中学校、高校など…健常者が通うのが普通学級です。中途障がい者や車椅子でも知的障がいを持たない場合、本人はもちろん親御さんも普通学級で学ばせることを望むことが多いですね。

特別支援学校などに通っている子供たちは、かかわりを持つ人も限られ、狭い世界にいることになってしまいます。健常の子と一緒に学ばせたいと考える親御さんもいるでしょう。私自身も中学2年生から普通学級へ転入しましたが、車椅子の障がい者が普通学級にいくというのは簡単なことではありません。

私の場合は幸いにも両親のサポートと学校側の理解で普通学級行きが叶いました。けがをした児童・生徒のためにスロープや車椅子用トイレを備え付けている学校も増えてきましたが、車椅子の子供を受け入れる設備が整っていない学校も全国にはたくさんあります。また今まで、障がい児を受け入れたことのない学校は「もし何かあったら…」と不安もあるでしょう。実際に普通学級に行きたくても受け入れを断られている子供たちは大勢いるのです。そういった点で私は周囲に恵まれ、幸せな学生生活を過ごすことができました。

なかには、いざ入ってはみたものの環境になじめなかったり、勉強についていけないケースもあります。そのような場合は特別支援学級を持たない学校でも支援教育を行っているところもあるので、検討してみるのもいいかもしれません。

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